福島県生活環境部人権男女共生グループ

他人同士でおこった暴力は、警察に通報され、事件として処理されます。 しかし、これまで、家庭内の暴力については、被害者が「話しても誰にも信じてもらえない」と声を上げることをあきらめたり、身内や外部に相談しても「我慢が足りない」「世間体が悪い」などと口をふさがれたり、「彼のことをわかってあげられるのは自分だけ」と相手を思いやる気持ちにつけ込んで愛情とすりかえられたり、「法は家庭に入らず」ということばのように、単なる夫婦げんか、個人的な問題とみなされ放置されてきました。 強盗や傷害事件などでは、社会的に、悪いのは加害者であるという認識が一般的です。 しかし、ドメスティック・バイオレンスを含む、異性からの暴力は、なぜか苦痛を受けている被害者が非を問われる傾向にあります。「暴力を受けるようなことをするほうが悪い」「相手を怒らせることをした」などと非難されるケースもあり、暴力が肯定されることもあります。 愛し合って暮らし始めた、または交際をはじめたパートナーから、突然殴られたり、暴言を吐かれた場合を想像してみて下さい。暴力的環境の中で豊かに生きることはできないことは容易にわかります。 誰にでも自分の能力を十分に発揮し、人生を豊かに生きる権利がありますが、このような権利を侵害し、弱い立場にある人を支配・従属させようとする行為が暴力です。 家族間の暴力は子どもにも大きく影響を及ぼすとともに、暴力を受けた人は、心身の健康上深刻な問題を抱えることもあります。